神奈川県の最北端にある藤野。
シュタイナー学園に通うために教育移住をされる方も多いこの地域では、小さい子ども連れのご家族が沢山います。
ですが、、、実は藤野には児童館はないんです。
公園も小さい公園がいくつかあるくらい。
「じゃあ小さい子どもを連れてどこに遊びにいったらいいの!?」
と思ったお母さん、ぜひ藤野プレーパークに足を運んでみてください。
こちらの記事では、藤野プレーパークについて特集させていただきます。
藤野プレーパークとは(概要)
「冒険遊び場」プレーパークってご存じですか?
ブランコや滑り台などの遊具のある整備された公園よりも、
「無造作なガラクタ置き場のような場所の方が喜々として遊ぶ」
という考えのもとに、第二次世界大戦中のデンマークで生まれたのが
「冒険遊び場」とされるプレーパークです。
日本では1970年代に活動が始まり、現在は全国で約400~500箇所に広がっているそう。
大人からこどもまで、地域の方やわざわざ東京からも!遊びに来る方が沢山。
藤野プレーパークは月に2回開催されています。
プレーパークの合言葉は、「ケガと弁当は自分持ち!」。
禁止事項を極力設けていないため自由に遊べます。
ただしそこにはリスクを伴うことも。
色々なことへの挑戦は自分の判断、自分の責任です。
小さなケガは大きなケガへの保険とも言われています。
普段からいっぱい遊んで、たまには小さなケガをして、鍛えましょう。
相模原市プレーリーダー養成講座修了者の方たちで運営しているため、
基本的な安全管理はバッチリです。
冒険遊び場は、子どもが「遊び」をつくる遊び場です。
そこでは火を使ったり、地面に穴を掘ったり、木に登ったり、何かものをつくったり・・・。
落ち葉やどろんこや自然の素材を使って、
遊び場にあるスコップや金づちや大鍋を使って、
自分の「やってみたいと思うこと」を実現していく遊び場です。さまざまな遊びが展開されていくので、変化しつづける遊び場ともいえます。
禁止するのではなく、いっしょに考えてやってみる。
のびのびと思いきり遊べるこの場所は、
引用 特定非営利活動法人 日本冒険遊び場づくり協会公式ページより
子どもが生きる力を育むことを支えています。
藤野プレーパークに行くには(アクセス)
藤野プレーパークは、ふだんはなぐら湖畔の森で行われていますが、
石井さんのいちじく農園や、シュタイナー学園のまるまるマルシェ、
ときに駅前のお祭りなどに出張することも。
公式ホームページで毎回開催場所のアナウンスがありますのでそちらをご確認ください。
雨天は中止です。
当日朝8時前後にアナウンスがありますので、
お天気が怪しい時は公式ホームページのご確認をお忘れなく!
なぐら湖畔の森
なぐら湖畔の森
相模原市緑区名倉1196−1
JR中央線藤野駅からは徒歩10分程度、中央道相模原ICまたは上野原ICからは車で10分程度です。
森から徒歩数分の藤野園芸ランド駐車場(大刀駐車場)をご利用ください。倉田自動車さん隣接です。
いちじく農園きよしさんち
いちじく農園きよしさんち
相模原市緑区佐野川2859
藤野プレーパークを楽しむコツ
1.長袖・長ズボンで汚れても大丈夫な服装がオススメ
なぐら湖畔の森は、豊かな自然環境の中。
走り回ったり、転んでも大丈夫なように
運動靴や汚れてもいい服装だと自由に楽しめます。
豊かな森には生き物もたくさん。
スズメバチやヘビ、ヒルも住んでいます。
万が一のために長袖と長ズボン+帽子が安心です。
藤野は山間部のため朝夕の冷え込みや気温差が激しいです。寒い時に羽織れる上着もあったら万全ですね。
2.蚊が苦手な方は虫よけがあったらいいかも
プレーパークでは毎回焚火をします。
焚火の煙にあたると不思議と蚊がよりついてこないのです。
(※筆者体験済)
とはいいつつも、夏場などは、蚊が苦手な方は虫よけや痒み止めもあったら快適に過ごせるかも。
3.食材とマイ箸とマイ食器持参のススメ
プレーパークの焚火を使って、ときに野菜スープを作ることも。
くるみの実をひろって焼いたり、
マシュマロを焼きマシュマロにしてみたり、定番の焼き芋。
ときに地元でとれた鹿肉をみんなで焼いて食べたりもしています。
焚火はみんなと一緒に使えるので、
自分の食べたいものは自分で持ってきましょう。
マイ箸とマイ食器の持参もお忘れなく♪
4.持続可能な楽しい遊び場のために
藤野プレーパークは、有志の方たちのボランティアで運営されています。
参加費は無料ですが、持続可能な遊び場のために余裕のある方はドネーションのご協力を。
藤野プレーパークの内容
藤野プレーパークの一番の特徴は、自由です。
ふらっと現れて、子どもと一緒に遊ぶもよし。
大人同士でおしゃべりするもよし。
なーんにもしないで森でぼーっとするのも最高。
1人で来ても赤ちゃんと来ても、いつでも誰でも立ち寄り大歓迎♪の集まりです。
心地よく楽しい空気が流れているのは、何よりも主催者の方の遊び場のホールド力。
そして、参加されている方お1人お1人の心がけやあり方ではないでしょうか。
なぐら湖畔の森では、子どもたちの遊び場として
木々の間にスラックラインや大きなネットをはっています。
(※スラックラインとは、細いベルト状のラインの上でバランスを楽しむ遊びです。バランス感覚や集中力などを鍛えることができると言われています。)
いつも中心にはあたたかい焚火があって、時には美味しい匂いが漂ってくることも♪
豊かな自然の贈り物、クルミをひろって焼きクルミを作ってみたり。
ピクニックシートをひいたエリアには
絵本や木のおもちゃ、スケッチ帳にクレヨンまで置いてあって
森で走り回って疲れたら、座ってのんびりできます。
まだハイハイの赤ちゃん連れのお母さんにも安心ですね。
お下がり広場には、サイズアウトした子ども服やおもちゃ、絵本などがあることも。
自分の家から要らなくなったおもちゃやお洋服を持ってくるのも大歓迎♪
竹を使って何かをつくっている子どもたちも。
通常の遊び場に加えて、ゲストを呼んで開催される会もあります。
藤野のアーティスト、いしげしょうこさんの紙芝居があったり、
石井農園でのいちじく狩り体験も!
植物博士池竹さんによる植物観察会や極上の野草てんぷら、
年末にはしめなわ飾り体験、NHKの音楽制作をされているガイネさんの指導による竹の楽器作りや、
神主さんによる「夏越しの大祓とお守り茅の輪作り」、
藤野が誇るキッズアイドル・うそまことさんが遊びにきてくれたり。
映画「杜人」で話題になった「大地の再生」にみんなでトライをしたり、
夏には大きいプールまで!
木登り名人サスケによる木登り講座も開催されたことがあって、
プレーパークで木登りの面白さに目覚めた少年少女もいるとかいないとか。
毎回内容は異なりますが、一期一会の出会いをぜひお楽しみください。
藤野プレーパーク 写真レポート 2023/11/18@石井農園
藤野プレーパーク主催者・山田薫さんにインタビュー
藤野プレーパークをはじめられた山田薫さんに、どのような思いではじめられたのかお話を聞かせていただきました。
今日はお話を聞かせてくださりありがとうございます。
薫さんがプレーパークをはじめられたきっかけをお聞かせいただけますか?
藤野に来る前に世田谷で子育てしていたときに、
きぬたま遊び村やちびたま、自主保育のワクワク、羽根木プレーパーク
に散々お世話になって、こどもたちとたくさんの遊び場を経験してきたんだよね。
プレーパークの場って、たくさんの親子が集まるでしょ。
通っているうちによく見る顔もできてきたり、お互いの成長を感じたり
なんだか大きいファミリーみたいなつながりができるんだよね。
子育ての拠り所のひとつのような。。
自分の子育ても振り返ってみて、あの場所があって心底救われたな~って思って。
わたしもいつも遊びに来させていただいて本当に助かってます。
同じ保育園に通っているお母さんやこども以外にも出会えるし、
すごく貴重な場所ですよね。
薫さんは2018年に藤野に引っ越されてきて
新しく藤野プレーパークを作ってくださったのですよね。
そうなの。
藤野にきてすぐに、市の子育て支援課に足を運んだんだけど
「公園はありますか?」
と聞いたら「ないです。」ってお返事をもらって。
「じゃあこどもたちはどこで遊んでいるんですか?」
「名倉グラウンドとかですかね」
そのとき一番下の娘ももう小学校2年生だったから、
子育てコミュニティが1番必要な時期は過ぎてはいたんだけど、
じゃあ藤野で小さい子を育てているお母さんたちは
どこで子育てするんだろう?って思って。
「児童館はどこにあるのでしょうか?」
っ聞いたら
「…?児童館とは何でしょうか?」って聞き返されちゃったの。
えーー!衝撃ですね。
でしょ~。
公園も児童館もないんだったら
子どもたちが遊べる場所をつくったらどうかなと思ったんだよね。
そうだったのですね、本当にありがたい限りです…。
プレーパークを運営している中で、嬉しいことってどんなことですか?
毎回たくさんあるよ~!
知っている赤ちゃんが成長していく姿を見れるのも嬉しいし、
やっぱり人とのつながりかな。
プレーパークの場を通じていろいろな人がつながっていく。
何かに困っているお母さんがいたとしたら
家や人、食べ物、お祭り、、
必要な情報やそれに詳しい人とのつなぎが出来る場
になれたら嬉しいよね。
この前、プレーパークで「大地の再生」の取り組みをしたんだけど。
世田谷のプレーパークの人たちも藤野まで足を運んでくれてね。
森永注※
大地の再生とは、
映画「杜人」でも話題になった、造園技師・矢野智徳(やのとものり)氏が長年に渡り観察と実践を繰り返して見出した、
傷んだ自然環境を再生する手法を学び、この手法を更に深め、広めていく活動です。
農文協の本「大地の再生実践マニュアル」にその詳細が書かれています。
大地の再生 関東甲信越公式ホームページ
多摩川の河川敷や世田谷・砧の遊び場で遊んでいたプレーパーカーや、
わたしが子育ての時にお世話になった、
自主保育わくわくクラブを立ち上げた人も参加してくれて。
みんなで竹のバームクーヘンをつくったり楽しい時間を共有しながら
地域を超えて世代をこえてつながっていく。
シュタイナー学園のお母さんたちもよく遊びに来てくれるし
病院通いでなかなか来れなかったお母さんもなんとか都合をつけて来てくれたりね。
わたしの実の母親もこのまえ足を運んでくれたの。
学校のつながり、家族のつながり、子育てのつながり、プレーパークのつながり、、、それらの人全部が交わる場所、ってなかなかないよね~。
そして、そんなみんなで集まろうってときの場所は、家じゃないしね。
藤野プレーパークが、
多様なつながりができていく場になっていることが
わたしにとってすごく嬉しいかな。
みんな色々な場所や関係性の中から集まってくれるんだけど、
不思議なことに似たような人たちが集ってくるんだよね。
場つなぎ、必要としている情報、
人と人をつないでいけるのが1番かな。
このまえプレーパークに来ているお母さん同士が、
どこかで何かあったようでハグしあっている光景をみたの。
わざわざ家に遊びにいくような関係性ではなくても
こういう場があって
つながってそんな関係性が紡がれていくのって素敵だよね。
昔子育てをしていたときは、
知り合った人たちに対して、
あくまでも子を介して出会う友・母同志であって、
純粋な友ではないと思っていたけれど、
自分の中で何かバリアをはっている部分があったのかもしれないね。
子育てをしているときに出会うお母さん友達って、
実は凄い心のつながりがある友達かも。
学生時代だけじゃなくって、
年齢をこえて友達というつながりができる、
それも嬉しいよね。
わたしも同じように思ってしまっている部分もあったかもです。
たしかに、同じ苦しみや喜びを経験して、
お互いにアドバイスをもらったりされたり、
育ちあう関係性ってすごく豊かな絆ですね。
薫さんはプレーパークを運営している中で、
大変なことはありますか?
そうだね~、
助成金が3年で切れてしまうんだよね。
継続していくには経済的なことに課題があるかな。
プレーパークに関わるメンバーは
それぞれに本業を持っているからいいんだけど、
本当は団体として
プレーパークの活動にお給料が出て
続けていけるような体制だといいよね。
今も助成金のやり方を勉強中なの。
無理ない方法でずっと続けていけたらいいね。
本当はもっと回数を増やしたり
水曜は公立の学校早く終わるし
平日も開けていたいんだけど
まだそこまではできていないんだよね。
あとは課題として
都会のプレーパークは
こどもが自分でふらっと遊びに来れる場所にあるけれど
藤野だと父母が車で送迎しなきゃというのがあるよね
何かいい手はないかな~。
いや、ほんとに月2回定期的に続けていくって
楽しいことばっかりじゃ絶対ないですよね。
プレーパークにお世話になりまくっている身からしても
運営の方が無理せず楽しく長期的に続けていっていただける方法が
見つかって欲しいと切に思います。
今日は貴重なお話を聞かせてくださりありがとうございます。
藤野プレーパークの参加者の方にインタビュー
実際にプレーパークに遊びにきているお母さんやお父さんたちにプレーパークの魅力についてお話をお伺いさせていただきました。
なんにもないところ。
前に銀河の森プレーパークの近所に住んでいたのですが、
藤野プレーパークは、銀河の森プレーパーク以上に何もない!
でもそれが魅力だと思います。
さつまいものつるを何かに見立てて子どもたちが遊び出したり、
作られた遊具や設備が何もないからこそ、
想像力を働かせるきっかけにもなっているのかなって。
あとは0歳児から高齢の方まで、世代を超えて交流できるのが
本当に素敵な場だなと感じています。
自然豊かな藤野のすばらしい環境をいかして
こうやっていもほりできたり、森の中で焚火を囲めたり。
場所を提供してくださったり、こういう場をつくって続けてくださっている方たちのおかげですよね。
大人も子どもも毎回思いっきり楽しんでいます。
もう数えきれないくらいしょっちゅう遊びにきています。
まだ子どもが乳児で心身ともに疲れ果てていた時に
主宰の方から、プレーパークよかったら遊びにおいでよと声をかけてもらったのが遊びにくるようになったきっかけです。
子育てって孤独になりがちな部分もあると思うのですが、
子育て大先輩のみなさまや、同世代のお母さんお父さんも沢山
遊びにきていて、いろいろ話を聞けたり、少しの間
子どものことを見てもらったりして、本当に気分転換になっています。
藤野プレーパーク公式リンク集
藤野プレーパーク 公式ページ | https://fujinoplaypark.simdif.com/ |
藤野プレーパーク 公式Facebook | https://www.facebook.com/fujinoplaypark/ |
藤野プレーパーク 公式Instagram | https://www.instagram.com/fujino_playpark/ |
参考 特定非営利活動法人 日本冒険遊び場づくり協会 | https://bouken-asobiba.org/ |
おわりに
筆者自身も藤野プレーパークには数えきれないほどお世話になっています。
はじめのうちは、知らない方ばかりで遊びにいくのにもなんだか少し緊張していましたが、何度か通ううちに次第に見知った顔が増えていき。
いまでは3歳の子どもも、「るんるん(※主催の薫さんの呼び名)の森にいく!」と参加するのを楽しみにしています。
子ども達が遊べる場が少ないからこそと開いてくださった藤野プレーパーク。
子どもや大人を問わず、多くの出会いがある素敵な遊び場です。
藤野近辺からはもちろん、東京から足を運んでくださる方も。
雨天中止なので要注意ですが、少しでも気になる方はぜひ一度足を運んでみてくださいね。
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