藤野ふる里まつり2023レポート~アクセス・出展者情報・会場レポートやインタビューまで~

ふるさとまつり その1
目次

藤野ふる里まつりとは(概要)

神奈川県相模原市緑区にある藤野は、新宿から電車で約1時間。
東京から1番近い里山と呼ばれています。こちらの記事では、藤野ふる里まつり2023のレポートやアクセス、出店情報や藤野の魅力についてのインタビューをお届けします。

藤野ふる里まつりは、藤野の地域での小さなたくさんお祭りがひとつに大きく集約された年に1度の大きなお祭り。

台風の被害やコロナの影響でお休みしていましたが、4年ぶりの開催となります。

2023年度で16回目の開催となる藤野ふる里まつり。
この名前になって開催される以前から、太陽祭りなどさまざまな名称で何度も開催されており、長い歴史を誇っています。

『ふれあいと感動の体験』をテーマに、市民交流の輪を拡げます。
相模原市(藤野)の魅力をさらに増幅するため地域間交流やこのイベントを次世代に繋げ、
幼児から大人まで楽しめ市民の健康増進、地域活力の高揚イベントとして開催し、
地域経済の健全な発展及び参加諸団体の活性化を促進します。

藤野商工会公式ページより引用

藤野ふる里まつりに行くには(アクセス)

藤野ふる里まつりの会場は、名倉グラウンド(相模原市緑区名倉1000)になります。

《電車でお越しの方》

最寄り駅はJR中央線 藤野駅。
藤野駅からバス「名倉入口」下車徒歩15分、もしくは藤野小学校まで約11分歩くとシャトルバスが出ています。
※新宿駅からJR中央線で約70分
※横浜駅から約90分
※大月駅から約25分

参考 Yahoo!JAPAN 路線情報

名倉グラウンド アクセス

藤野小学校からシャトルバスも運行します。

藤野小学校 アクセス
神奈川県相模原市緑区日連549
※藤野駅[出口]徒歩11分

ふるさとまつり その4

《お車でお越しの方》

ふる里まつり会場の名倉グラウンド
(相模原市緑区名倉1000)
にも駐車場のご用意がございますが、満車の可能性もございます。

満車の際は、藤野小学校に駐車場のご用意がございますので、そちらからシャトルバスをご利用ください。

藤野小学校 
(相模原市緑区日連549)

藤野ふる里まつりをもっと楽しむコツ

1.駐車場にはご用心

藤野での移動手段にはかかせないともいえる車。
年に一度の大きなお祭りを目指して、みなさん自家用車で駆け付けます。朝9時すぎの時点で既に会場の広い駐車スペースは8割がた埋まっていました。お昼過ぎには会場に入れず、駐車場が空くのを待っている車の列がズラり

快適にお祭りを楽しんでいただくために、朝いちばんの到着ではなかったら、公共機関のご利用や藤野小学校からのシャトルバスがオススメです。

2.はおり物のご持参がオススメ

藤野は中山間地域のため、この季節とくに朝晩の寒暖差が激しいです。
午前中から会場で設営をされていたスタッフさんの話をきくと、朝方は3枚重ね着をしても寒かったとのこと。それにも関わらず、お昼過ぎには太陽がさんさんと輝いてTシャツ1枚でも十分な陽気でした。

気温の変化に対応できる、脱ぎ着可能なお洋服だと安心ですね。

3.MY BAG持参のオススメ

会場には藤野の美味しいお野菜やお土産、たくさんの魅力的なアイテムが揃っています。
運命の出会いがたくさんあっても困らないように、MY BAGのご持参をオススメさせていただきます。

藤野ふる里まつり2023の出店・出展内容

飲食ブースや、藤野の農産物に特産品の販売。古美術の展示から子ども体験遊具・電動ミニSLがあったり、緊急車両キャンピングカーなど各種車両の展示まで。地域間の交流をテーマにしており、ステージでは、各種団体演技やフォトコンテスト、大抽選会も行われます。

こちらのポスターは藤野在住のクリエイター、有限会社ザリガニワークスの武笠太郎氏がデザイン。武笠さんのアート教室「くりえいと」で子どもたちが描いた絵をちりばめた、明るくて可愛らしい一枚です。

ふるさとまつり その1
ふるさとまつり その5
ふるさとまつり その6

藤野ふる里まつり2023レポート

4年ぶりの開催となった、藤野ふる里まつり。
久しぶりのお祭りだけあって、いつも以上の賑わいを感じる会場でした。
9時ころにはまだ余裕がありましたが、少し経てば…人・人・人!

ふるさとまつり その19

ステージ会場からは、ドドンと響く和太鼓の音

ふるさとまつり その34

Studio Beat LINKの子どもたちが出演する、ダンスパフォーマンス。

ふるさとまつり その33

焼きそばや、焼き鳥、ラーメン、綿菓子やポップコーンにクッキーなど、お祭りらしい食べ物屋さんの出店も充実しています。しかも、どのお店も身内価格というか、基本的にとってもお買い得♪

ふるさとまつり その20

シュタイナー学園の高校生がみんなの食堂というお店を出していましたよ。
藤野でとれるおいしい有機・無農薬のお野菜をつかったスープ。
曲がっていたり、傷がついてしまった通常では市場に出回らない、規格外野菜をつかって、フードロスの削減に取り組んでいるそう。かぼちゃスープはほっこり心から温まる優しいお味でした。

ふるさとまつり その24

そして子ども連れに何よりも嬉しいのが、、、遊べる場所がたくさんなのです。
こちらのブースではプログラミングでロボットを動かせる体験が。

ふるさとまつり その30

自分で動かせる車に夢中。

昔ながらのお祭りの定番。射的もできます。
こちらはたくさんの絵本がぎっしり詰まった移動図書館カー。ふだんは「百笑の台所」に駐車されています。藤野には図書室はあるものの本格的な図書館がないため、子どもたちにとって貴重な存在。

ボール落としや輪投げ屋さんも。

プロペラ飛行機を作ってみたり

ふるさとまつり その27

野生農園ザ☆ばんの伴さんが教えてくれる、おがくずをつかった粘土遊びも。
ばんさんはご自身の畑のオープンDAYをつくり、都会から遊びにくる方々も広く受け入れをされています。

ふるさとまつり その28

自然体験学校みどり校では、枝鉛筆づくりや苔玉づくり、ロープワークの体験もありました。
写真の右に映る、代表のつっちーさんこと土屋拓人さんは、地域の方と移住者をつなぐ多彩なイベントを仕掛けられている方。季節にあわせて様々な魅力ある体験を提供されています。

ふるさとまつり その12

小さい男の子たちに大人気。
消防車やパトカーに乗れたり、憧れの消防士さんを体験できる防災ブースも。

ふるさとまつり その14

この日一日だけ体験できる子ども電動SLや

ふるさとまつり その41

ぴょんぴょん跳ねて面白い、子どもだけが入場できるぞうさんの家まで。

ふるさとまつり その22

物販ベースも充実♪
藤野で地ビールをつくられている「Jazz Brewing Fujino」の山口解さん。
このお祭りは、古くからこの地域に住まわれている地元の方がたくさん来られて、普段はなかなか出会えない方に会えるのが魅力なんですよ、と教えていただきました。

ふるさとまつり その35

藤野でとれた新鮮で美味しいお野菜の販売もあります。お土産にさつまいもをいただきました。藤野には農体験できる農園もいくつかあります。

ふるさとまつり その21

このお祭りのすごいところが、ご飯や遊びが充実しているだけじゃないところ。
藤野観光協会の出店もあり、移住希望者の方や藤野についてもっと知りたい方には色々なお話を聞けるチャンス。

ふるさとまつり その25

藤野の癒しの温泉。最近リニューアルしたばかりのやまなみ温泉のブースもあり、地域密着型のお祭りです。

ふるさとまつり その39

そして最後はこちらのレゴブロックで遊べるブースに夢中になり…
あっという間にお昼寝時間をオーバーで時間切れとなってしまいました。
会場は1つに集まっているので回りやすいものの、沢山の魅力的なブースがありますので、時間に余裕をもったスケジューリングが必要になるかもしれません。

ふるさとまつり その40

一般社団法人藤野エリアマネジメント理事・中村賢一さんインタビュー

藤野には、一般社団法人藤野エリアマネジメントにて代表理事をされている中村賢一さんという方がいらっしゃいます。
2004年まで藤野町役場に勤められ、パーマカルチャーセンター・ジャパンやシュタイナー学園の誘致を積極的に推し進められた、藤野の発展になくてはならない方です。

現在は行政から民間へと立場を変えながらも、地域と移住者の橋渡し役をしてくださっています。
今回賢一さんに藤野という地域についてお話をお伺いさせていただきました。

中村賢一さんは、こちらで藤野の歴史や魅力について詳細に語ってくださっています。
よろしければぜひご覧ください。
公式サイト FUJINO ART MESSAGE公式ページ 

森永

本日はお時間をいただきましてありがとうございます。
藤野の地域についてやその歴史、魅力について
ぜひお話をお聞かせいただけたらありがたいです。

賢さん

藤野は、町域の70%が急峻な山林で平地は少ない典型的な中山間地といえるでしょう。小河川の流域にいくつもの集落が分散し、その数は50を超え、そのうちの多くは限界集落となっています。

また、多目的ダムとしては、国内最初の相模湖があることから、一般的な”まちづくり”として考えられる工業団地や大型の住宅団地の誘致などが大きく制限される特殊なエリアとなっています。

一方、JR中央線、中央自動車道が町の中央部を走り、首都圏と1時間で結ばれる好条件にあって、1980年代の中ごろに始まった「ふるさと芸術村構想」は他に見られないユニークなまちづくりとして注目されています。

森永

5年前に藤野に来た頃は9000人くらいとお伺いしていたのですが、この頃はいかがでしょうか。

賢さん

人口は2007年の合併時の12000人から8000人(15年で33%の減少)を割りそうな厳しい現実がありますが、いずれ、急激な人口減は終り、藤野は緩やかで安定した持続可能な人口規模になっていくと思っています。

高齢者の死亡数が出生数を大きく上回り人口減少の最大の要因となっているが、一方、アーティストなど藤野を選んで移住する家庭が増え文化度の高いエリアとして注目されています。

芸術村第1期
1984年、相模川流域13市町村を対象に神奈川県の都市計画施策である「なぎさ相模川プラン」が提唱され相模川最上流部の藤野は「森と湖と創造の拠点」として位置づけられました。当時の旧藤野町民の民意は都市的開発にある中で芸術村の第一歩が始まる。
バブル景気を背景に神奈川県行政の強力な主導のもと30点を超す環境彫刻や藤野芸術の家などハード事業のほか、現在の藤野の活力を支える「アートスフィア」が始まる。
第1世代のアーティストたちの移住が少しづつ始まる。

芸術村第2期
1992年前後 バブル景気が弾けると同時に神奈川県はその役割を終え、その運営主体を旧藤野町にゆだねる。
人口1万人の小さな町は芸術を支える財力も知恵もない中で独自のまちづくりが始まる。

① アートビレッジ構想
  主に限界集落の空き家を移住希望者のアーティストに貸し出す。…300人を超えるアーティスト
  シュタイナー学園の誘致
  パーマカルチャーセンタージャパンの誘致
  オーストリア芸術家レジデンス

② アートスフィア補助(200万円/年)
  アーティストが始めたイベントに補助する
  陶器市 クラフトガーデン キッズシアター 復活村歌舞伎 ワールドスパイス 人形浄瑠璃・・・・etc
 
芸術村第3期
2007年 市町村合併を契機にさらに多様なアーティストとともに若者の移住が多くなる。
合併で住民自治は遠くなり、くらしを支える公的なサービスも期待を裏切る中、市民の自立が始まる。
2010年前後に移住者の一人が持ち込んだ「トランジション藤野」の運動は藤野の魅力である「藤野電力」や地域通貨「萬」、「森部」などの活動につながっている。

※森永注 「いきいき未来相模川プラン」についてこちらのページも参考になります。
参考サイト FUJINO ART MESSAGE公式ページ
「かつての芸術村構想の発見が、藤野を芸術のまちにした。藤野の歴史が変わった瞬間がそこに/井上憲司さん」



※森永注 過去の藤野アートスフィアについてはこちらをご覧ください。
参考サイト FUJINO ART MESSAGE公式ページ
過去の藤野アートスフィア

森永

藤野にはアーティストの方が沢山住んでいらっしゃるとは聞いていましたが過去にこれほどに豊かなイベントが行われて、数多くの作品が作られてきたのですね。

賢さん

移住してきたアーティストたちが40年近く続けてきた独自のイベント、消えていくもの、新しく生まれるもの
ほぼ半世紀のイベントの記録が関係者の手づくりでまとめられました。

人口減対策として有効だったのが廃屋のあっせんです。
50ある集落のうち30数集落は限界集落となっていて、ほっておくと数年で朽ちてしまう。気が付くとそこに300人を超えるアーティストたちが移住してくる。廃屋の再生と家賃などの小さな経済が生まれ、新しいコミュニティーが広がる。

多様な移住者との間にある価値観の違いは、ときに混乱を招くこともあるが、新しい何かを創り出すエネルギーにもなる。

※森永注
限界集落とは、人口の50%以上が65歳以上で、農業用水や森林、道路の維持管理、冠婚葬祭などの共同生活を維持することが限界に近づきつつある集落のこと。)

森永

そんなにたくさんのアーティストの方々が、廃屋をリフォームされて新たに藤野で暮らしを始められているとは・・・驚きました。

賢さん

アーティストの定義は難しいが、8000人の人口のうち、ほぼ4パーセントが移住アーティストだと思っています。
モノづくりや美術工芸、絵画、音楽などなど口コミでたくさんの創造的な人が住む町になってきました。
そのうちの95%は積極的な移住者です。

1992年前後からパーマカルチャーセンター、トランジションタウン、シュタイナー学園など、森と湖と創造の拠点で始まった
ユニークな市民活動は個性的な藤野をつくるモトになっています。


市町村合併で遠くなった住民自治は結果的に市民の自立する力となって、その活動を通じて面白い人たちが集まり続けている。

なぎさ相模川プランで始まったふるさと芸術村は第1期、第2基をへて主体は行政から自由でクリエイティブな市民活動へと進化している。合併で失ったものは大きいが何物にも代えがたい市民の自立を手にした思いがある。ふるさと芸術村構想がこんな結果を生むなんて、正直なところ誰も予想できなかった。

森永

藤野という場所が、移住者や外から来る人を拒まず、
あたたたく受け入れてくださる土壌はこのように育まれてきたのですね。
本日は貴重なお話を聞かせてくださりありがとうございます。

公式リンク集

公式Facebookhttps://www.facebook.com/fujinofurusatomaturi
公式Instagramhttps://www.instagram.com/fujinofurusatomaturi

おわりに

筆者が前回このお祭りに参加したのは4年前でした。
その頃はまだ藤野に来たばかりで、知っている方も少なかったのですが、今回参加させていただいてちらほらと見知ったお顔が。里山の魅力のひとつに、地域に住んでいる方とのつながりがあると思います。

藤野ふる里まつりは、この地域に住んでいる方に加えてこれから藤野に住んでみたいと思っている方にもオススメ。
こちらの記事で、藤野の魅力のかけらをお伝えし、来年の藤野ふる里祭りを楽しんでいただくきっかけになりましたら幸いです。山々に囲まれた藤野の地に住む人々やこの土地の魅力を感じに、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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ライター

森永佳代と申します。
2018年秋、世田谷から藤野に引っ越しました。
夫と2020年生まれの息子、保護犬マカと約120歳の古民家を借りて暮らしています。

ちょうどこどもの教育について学び始めたところなのですが、直接関係者の方からお話をお伺いするのが何より一番面白くて身にはいってきますね。少しでもためになるような記事を作成すべく勉強中です。

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